岡山県一宮神社めぐり4「吉備津神社」
4.備中(三備)国一宮「吉備津神社(きびつじんじゃ)」
御祭神は、吉備津彦神社と同じ「大吉備津彦命(オオキビツヒコノミコト)」です。
吉備国が備前・備中・備後の3つに分かれたときに、吉備津神社の大吉備津彦命の神霊を分けてそれぞれお祀りすることになったようです。
その3つとは、
この吉備津神社は備中国の一宮でありながら、「三備国一宮」でもあるのです。吉備国の総氏神様ですね。
吉備津彦神社の記事でも紹介した、大吉備津彦命と温羅(鬼)との戦いの伝説がもとになった神事が吉備津神社にいくつかあります。
中でも有名なのが「鳴釜神事(なるかましんじ)」です。
鳴釜神事とは、大吉備津彦命に祈願した願いが叶えられるかどうかを、釜の鳴る音で占うというものです。
大吉備津彦命が打ち取った温羅の首がいつまでも唸り続けるので、お釜殿の釜の下に首を埋めました。温羅が寵愛したとされる阿曽女(あぞめ)がその釜で火を炊くと唸り声は止み、それ以降釜の鳴る音で吉凶を判断するようになったそうです。
温羅もお気に入りの女性に弱いとは、なんともほっこりエピソードです。
この神事に奉仕するのは、神官と阿曽女の2人。
「吉です」、「凶です」という結果を言われるわけではなく、
釜が鳴らす音を心で聞き、自分自身で判断する占いです。
あの軍師・黒田官兵衛も聞いたという釜の音、一度は聞いておきたいですね。